知能商社とは
価値は、産業の境界に眠っている。
産業は、それぞれの内側で進化してきました。
造船には造船の、製造には製造の、映像には映像の、物流には物流の技術と常識があります。長い時間をかけて磨かれたその能力は、同じ産業のなかでは当たり前になり、外側からは見えなくなっています。
しかし、ある産業では当たり前の能力が、別の産業では大きな問題を解くことがあります。
産業用ロボットの正確な反復動作は、工場だけでなく、映像撮影や空間演出を変えられる。AIの認識と推論は、情報産業だけでなく、造船、機械、金属、設備保全のあり方を変えられる。
新しい市場は、必ずしも新しい技術から生まれるわけではありません。
既にある能力に、これまで存在しなかった行き先が与えられたときにも生まれます。
伊但馬商事は、産業と産業の境界に立ちます。
一つの産業で磨かれた力を読み解き、異なる産業へ運び、実際に使える商品と事業にする。産業の交差点から、まだ名前のない市場を生み出します。
知能商社
総合商社が商品、資本、商流を束ねてきたなら、知能商社は、産業の現場に蓄積された知識と能力を束ねます。
従来の商社は、取引の間に居続けることで収益を得てきました。取引が続くかぎり商流に残り、手数料が積み上がる。
知能商社は逆です。取引を成立させ、その過程で得た判断と結果を学習し、取引そのものは自立させて、次の、より難しい取引へ進む。
商流を所有する商社から、学習曲線を所有する商社へ。
総合商社
複数の産業と資本を束ねる。
専門商社
一つの産業を深く掘る。
技術商社
技術を選び、現場へ届ける。
地域商社
土地の価値を市場へ開く。
知能商社
散在する知識と能力を、一つの「できる」へ編成する。
AIが大量の技術、設備、課題、市場を横断して可能性を探り、人が現場に入り、その意味と実現性を判断する。
破線=まだ一つの力になっていない知識と能力。朱=編成されて生まれる「できる」。
現場が一つ増えるたびに、会社の知識が増える。
知識が増えるたびに、新しい産業の組み合わせが見える。
組み合わせが増えるほど、次の市場を生み出す力が強くなる。
大きくなるほど現場から遠ざかるのではなく、大きくなるほど産業を深く、広く結べる会社をつくる。
取引に居座ることで強くなるのではなく、取引から卒業するたびに強くなる。
それが、伊但馬商事の考える知能商社です。
Founding Spirit
技術と文化の発展を以て、
人間らしい社会を追求し、
より良い人類文明を築く。
創業の理念は、「技術と文化」という二つの柱を通じて、人間らしい社会の実現を追求し、多様で持続可能な社会システムを築き上げていくことです。

Approach
産業を読み、交差させ、自走させ、学習を残す。
AIは、資料を速く作るための道具ではありません。
産業の能力を理解し、別の産業にある課題との接続可能性を見つけるための、中枢となる知能です。
産業を読む。
現場に入り、技術、設備、人の知恵、制約、余剰能力、まだ言葉になっていない課題を理解します。
それらを業界名や商品名ではなく、「何ができるのか」という能力の単位に分解し、AIと人が扱える知識へ変えます。
能力を交差させる。
一つの産業で磨かれた能力と、別の産業に残された課題を照合します。
AIが広く可能性を探索し、人が現場性、倫理、経済性を見極める。必要に応じて試作や実証を行い、転用が本当に機能するかを確かめます。
事業として自走させる。
用途を定め、最初の商品をつくり、最初の顧客へ届けます。
価格、品質、契約、供給、保守まで設計し、市場として成立させる。成立後に直接取引した方が合理的なら、伊但馬商事が無理に間へ残ることはありません。
必要な知的財産、ソフトウェア、標準、ブランド、事業持分を残し、次の商いへ知識を還元します。
学習を残す。
案件が終わるたびに、成立条件、失敗条件、責任分界、検証結果の四点を、会社の知能として残します。
企業名や議事録ではなく、成立と失敗の構造として残す。だから業界や商品が違っても同じ型の問題に再利用でき、一つの案件の学習が、次の案件の組成を速く、確かにします。
現場が増えるほど、AIが学ぶ。
AIが学ぶほど、交差点が増える。
交差点が増えるほど、新しい市場を生み出しやすくなる。
それが、伊但馬商事の規模の経済です。
Vision
世界を動かす和船となる。
船は、物を運ぶだけの存在ではありません。
異なる土地、人、技術、文化を結び、それまで存在しなかった交易と産業を生み出してきました。
伊但馬商事が運ぶのも、完成した商品だけではありません。
日本の現場に蓄積された技術、設備、人の知恵を載せ、異なる産業と世界へ運ぶ。既にある航路をなぞるのではなく、まだ存在しない航路をつくる。
その海図を描くのが、AIです。産業の能力と課題を読み、まだ結ばれていない航路を見つけ出す。和船とは、産業と産業を結ぶ器のことです。
寄港する産業が増えるほど、知識が増える。
知識が増えるほど、結べる航路が増える。
大きくなるほど鈍くなる船ではなく、大きくなるほど遠くを見渡し、新しい航路を発見できる船をつくります。
伊但馬商事は、世界を動かす和船となります。